これから年末以降に向けて進学や転勤、または新しい暮らしの始まる季節に向けて賃貸を含む不動産は入退去の時期で大変忙しくなります。
特に来年の春大学生になる親御さん等からのお問い合わせは10月~徐々に増え、部屋は早い者勝ちになります。
そんな時は早くいい物件を契約したいと焦りがちなんですが、一度立ち止まって大家さんや不動産会社に確認してほしい点があります。
国土交通省のガイドライン
というのも、国土交通省のガイドラインで定義されているものと大家さんや不動産会社が作った契約書に記載されているものが違う場合があり、だいたい経年劣化で発生する修理やクリーニング代が借り主負担になっていることが多いのです。
確かに借り主には現状回復義務というのが生じるので一見住む前の状態に全て戻さないといけないと思いがちなのですが、現状回復義務というのは「貸借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、貸借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による消耗・毀損を復旧すること」。
つまりわざと壊したり、不注意で汚れた分、普通の使用を越えるものは責任を持って元に戻してくださいね。ということ。
例えば部屋でタバコを吸ったヤニ、飲み物のシミ、壁にあいた画鋲のあと、水回りのひどいカビなど…。
ただ全額を負担しないといけないかというと、そうじゃない場合もあります。ガイドラインでは経年劣化や通常消耗での修繕費用は賃料に含まれるものであり、また借り主が故意に破損や消耗をしてしまった分の修繕費用についても、経年劣化や通常消耗の価値減少分を差し引いて考えるものとされています。※ここはかなり細かいので国土交通省のガイドラインをご覧下さい。http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/torikumi/honbun2.pdf
クリーニング代や鍵交換代の負担
現在のガイドラインでは部屋のクリーニング代や鍵の交換代、経年劣化、通常消耗で自然に発生したものは基本的に貸し主が負担するものとなっています。
なので
- 通常の鍵交換代
- 自然な経年劣化によるクロスの張り替え
- 日頃の掃除が行われた部屋のクリーニング代
- 通常使用での床のへこみ
- 設備の消毒やお手入れ
- 自然な日焼けや雨漏り
などは貸し主が直すものとなっています。
※敷金がない物件などは追加で請求される場合があります。
契約書の特約を見落とすな
ただし契約書の特約にクリーニング代や鍵交換代等が書かれているものはその特約に従わないといけないことが多いです。
これは契約を交わしたときに説明されていることで、それに了承を得て契約書に印鑑を押しているからです。
ガイドラインの位置付け
あくまでもガイドラインはこうした方がいいという強制力の無いものなので、大家さんや不動産会社独自の契約書がまだまだ多く、退去時に敷金から引かれことも多いと思います。
なので、契約書の説明や入居の説明の時に忘れずに聞くことが大事です。※退去時の不当な請求などは相談センターなどに聞いたりすることで払わなくても良くなるケースもあります。
また、入居時に出来れば気になる傷や壊れているところは写真などに残しておくと退去時の不当な請求をされなくて済むので念には念をで撮っておくことをおすすめします。
保証人も確認
賃貸契約をする際保証人を書く欄があると思いますが、この保証人も賃貸物件によって全然条件が違います。例えば保証会社にお金を払って保証して貰う場合や、身内や知り合いに保証人になって貰う場合。
保証会社にお金を払う場合は不動産会社によってプランを決められたりする場合もありますし、知り合いに保証人になって貰う場合は年収いくら以上の方など条件がつけられる場合もあります。
保証会社にお金を払う場合はどのくらい金額がかかるのか、更新などはあるのか聞いてみてくださいね。
賃貸の更新料
契約年数によって更新料が賃料1ヶ月分や2ヶ月分請求されたり、更新料が無かったりと、物件や大家さんによってかなりばらつきがあるので、初期費用だけでなく更新料も注意が必要です。
ここも確認
賃貸物件によっては無断でスペアキーを作ってはいけないところ、設備を故意に壊してしまった場合は不動産会社に申し出てから直さないといけないところ(自然消耗なら直してくれる場合もある)、車庫証明の手続き、賃料の振込方法や期限など聞かないと教えてくれないところもあるのでぜひ見学に行くときに聞いてみてくださいね。